さてさて、国立新美術館へは久々です。
何年前かも忘れてしまう程ですが、来てみれば素晴らしいロケーションです。
都会のど真ん中、アートに触れる事ができるのはとても良いです。
今回は「ルノワール展(オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵)」がメインテーマです。
年代別やテーマ・作風別に全体構成を10章と書籍のように分けていたので、自分のようなビギナーにも分かり易かったです。
ルノアールはとにかく“優しい”です、だから安心して観て回れます。
宗教画のようなメッセージ性は薄いですが、日常生活の中にある“癒やし”の瞬間を共感できる作品が多いです。
「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は何かと目に触れる機会が多い作品です。
晴れた休日にダンスを楽しみご機嫌の人々、その人々に木漏れ日が差し込みます。
日差しはやや強いのでしょうか、日向と日陰の明るさの違いを部分的に描き分けています。
特に分かり易いのは、一番手前・中央右手の黒服の男性です、背中には木漏れ日がホンワカと浮び上がっています。
丸でその場にいるかのような錯覚を起こしてしまうような…良い雰囲気がこちらにも伝わってきます。
やはり実物を目の前にすると本を見るのとは違い、新しい気づきがあります。
ルノアール 「ム-ランド ラ ギャレット」 原画同縮尺近似 (6号) renoir-03-02 PREHARD
「《ジュリー・マネ》あるいは《猫を抱く子ども》」に登場するネコの表情は普段から可愛がっているから描けたと感じます。
ルノアールは相当のネコマニアです、間違いありませんね。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 「ジュリー・エドゥアール・マネ Edouard Manet ( 猫を抱く子ども )」 インテリア アート 絵画 プリント 額装作品 フレーム:装飾(金) サイズ:L (412mm X 527mm)
アフロプリント
作品点数も非常に多く、ジックリと2時間堪能できました。
観終わって、外に出れば多くの緑で気持ちもリフレッシュできたので良い企画展でした。
国立新美術館はコレクションが無いので常設展が無いのが少し残念ではあります。
美術館としての主張や個性を常設展に見出すことが少なくないからです。
コレクションを無くし、管理・企画する学芸員を極力減らすのが当初からの試みではあります。
その点、国立新美術館は弱点でもあります。
しかし、六本木という国内随一の最先端的な街の一角ですから、相応の収益性も期待されます。
場所柄として課された宿命と言えるでしょが、企画展のみで入場者数と回転率の向上を目指ていくことが肝です。
ハコモノ行政の典型として揶揄する向きが多い中、運営も手抜きは決して許されないんだなぁ…と曲線美を見上げながら思いました。