2016/07/21、米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)で開催された米共和党大会において、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が正式に大統領選の共和党候補に指名されました。

そして共和党に遅れること5日、2016/07/26に米ペンシルベニア(Pennsylvania)州フィラデルフィア(Philadelphia)で開催されたの民主党全国大会において、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官が大統領候補として正式に指名され、米国の主要政党で初の女性大統領候補になりました。

いよいよ両候補による一騎打ちが始まるわけです。

トランプ候補は過激な予備選で物議を醸し、政策全米のみならず世界中を震撼させました。

一方、ヒラリー・クリントン候補はビル・クリントン元大統領のファーストレディ時代から大統領職に興味を示していたので、長年の夢の実現まであと一歩というところまで辿り着きました。

知名度は抜群ですが、“女性初”以外には際立った政策はまだ聞こえてこないです。

民主党候補として現政権を継承していく責任を負いながら、自色はユックリ出していくことになりそうです。

これからは、ガチンコの強烈なバトルが本選挙まで続くことになります…。

ホワイトハウス

さて、どちらが大統領になっても我が国にとっては茨の道に違いはありません。

どちらかと言えば、現民主党政権とのパイプを活かせるという点では、ヒラリー・クリントン候補の方が組み易いということには間違いはなく、同盟関係維持もしくは強化は既定路線です

しかし、トランプ候補の外交政策は具体性は全く見えてきません。

日米安保体制の本質に関わる重要な問題に触れておきながら、その一方で対中国への戦略の見直しを匂わせたりもして、一貫性が乏しいです。

まだ外交政策まで手が回っていないのでしょうか?

それとも不勉強のまま戦略を明らかにすることなく選挙戦を進めていくのかもしれないです。

そこで思い出されるのは、2000年アメリカ合衆国大統領選挙のことです。

当時、アル・ゴア候補(元副大統領)がジョージ・W・ブッシュ前大統領に大接戦で敗れましたが、その一因として、投票結果による問題もありましたが、本質的には米国人は“変化を好む”傾向が強いということでした。

ビル・クリントン体制が8年続いた事で民主党政権への“飽き”があったのは事実のようです。

副大統領を2期8年勤めたゴアを選出すれば、さらに4年間、再選なら8年間、副大統領との期間を通算すれば合計16年間です。

とても有能なゴアを選出するのはオーソドックスでしたが、米国民はそんなに長い期間をホワイトハウスに置くことを望まなかったのでしょう。

米国人はいつも少し違う“何か”を望むのだろう…と当時感じたことでした。

 

8年前の2008年、米国民はオバマ大統領のChange!で熱狂し、黒人初の大統領を選出するという画期的な出来事を世界に示しました。

そして2016年、オーソドックスで常識的に見ればヒラリー・クリントンですが、今回女性初の大統領を選出が8年前のような“夢”のような“何か”を創出できるのか?と言えばそういう雰囲気でも無さそうです。

むしろ、現状打破のために手段を選ばないエキセントリックでパワフルなキャラクターを望んでいるような気がします。

決して望ましい方向性にならないですが、ドナルド・トランプ候補に分があると感じています。

リンカーン大統領

最近見たニュースで米国大統領の人気・不人気ランキングがありました。

現在のバラク・オバマ、そしてジョージ・W・ブッシュの直近二人の不人気が際立っていたのとは対照的にレーガン、ビル・クリントンが人気上位につけていました。

これは、20世紀の終わり頃は良かったが、21世紀に入ってからロクなことがない!を意味しています。

米国大統領の権威が相対的に低下しているので、誰がなっても米国民の労苦は大きくは変わらないでしょう。

by カエレバ