2016/08/14、お盆時のアート巡り(2)は、丸の内・三菱村の中心地にある「三菱一号館美術館」へと出かけました。
「三菱一号館美術館」では企画展:「ジュリア・マーガレット・キャメロン展」が開催中です。
東京駅・丸の内北口から工事中の駅前ロータリー近辺から少しだけ遠回りして、丸の内仲通りへ。
この近辺は本当に久々で何年ぶりかも忘れる程です。
1F・テナント店舗には綺麗なブティックやカフェが軒を連ねて、オシャレになりましたね。
昔は殺風景なビジネス通り、休日出勤の人しか歩いていない…という感じでした。
しかし、今は休日こそイイ!という癒しのスポットに変貌していたのには少し驚きました。
特に「三菱一号館美術館」の近辺は一種の景観地区的な役割をもっているようです。
入口前の庭は多くの緑と水の流れを感じることが出来、オープンテラスのカフェは和やかな雰囲気です。
美術館は作品そのものが一番大切なのは当然ですが、建物とその近辺100m以内も重要です。
その意味で「三菱一号館美術館」は日本一のビル街にある美術館として地域環境の適正化に大きな役割を果たしている、と感じます。
さて「ジュリア・マーガレット・キャメロン展」は、19世紀に活躍した写真家ジュリア・マーガレット・キャメロンさんの作品を集めた企画展です。
ジュリア・マーガレット・キャメロンの作品は肖像画のような写真であり、そのセンスの良さに驚かされます。
宗教画やシェークスピア作品にモチーフを得たと思われるモデル設定や衣装など、完全なストーリーを持って事前に準備をしていたと思うと大変な凝りようです。
とても趣味の延長で48歳から始めた写真家とは思えない程の芸術性です。
作品群の中で撮影許可がとれているエリアの画像をアップします。
なかでもパンフレットや大型バナーにも採用されているメイン画像も撮影OKでした。
「ベアトリーチェ」(1866年)です。
最初にパンフレットのこの写真を見た時の印象として、戦場カメラマンが紛争地区の女性を撮った…ものだと感じていました。
大間違いでしたが、それくらい色々な意味で“期待を裏切ってくれる”ほどのインパクトが有ります。
憂いのある悲しげな表情は他ではなかなか見ることが出来ない魅力を持っていますが、それもそのはずでした。
テーマになった女性は実在の人物で悲劇のヒロインでした。
ジュリア・マーガレット・キャメロンの題材に対する切り口とモデルに要求するレベルがとても高いです。
そして、それを写真に収めて、現像し、作品化する力量も素晴らしいです。
(撮影した画像には人影が写り込んでしまったのは大失敗でした…。)
Julia Margaret Pattle Cameron J Paul Getty Museum Pubns 1996-09-26
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「三菱一号館美術館」は内部もクラシックで明治~大正を感じさせてくれる貴重な建物です。
ありきたりですが、“都会のオアシス的な空間”としてとてもオススメできます。