2016/08/18、米国・司法省は部分的に進めていた刑務所民営化の打ち切りを発表した、というニュースがありました。
その理由は、受刑者の矯正、安全性に問題があり、加えて経費削減にもならない…からだそうです。
将来的に以前通りの公営に戻していくことになりそうです。
結局、何のために刑務所民営化したのか?が曖昧になったからなのでしょう。
加えて、ニュースの中で最も気になった点は別にありました。
- 米国全体の受刑者数 / 全世界の受刑者数 = 200,000人 / 800,000人 = 25%
- 米国民間刑務所の受刑者数 / 米国受刑者全体 = 22,000人 / 200,000人 = 11%
世界中で収監されている受刑者:800,000人 は全く見当もつかなかったですが、
民間刑務所の受刑者数:22,000人 のうち、メキシコ人を中心とした外国人が大半を占め、罪状は移民法関連ということは不法移民、不法就労などですから、殺人などの凶悪犯でなく比較的軽い罪でしょうか。
刑務所内で受刑者が作業を“超・低賃金”で請け負っている、と以前読んだ本にかかれていたのを思い出しました。
重要な労働力を担っているのは、正にこの「22,000人」のようです。
米国・司法省は今後4~8年間を予想して少し早めに動き出したのかも?と感じました。
現在、米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏は、メキシコとの国境警備の強化を強く主張しています。
もし当選の暁には、メキシコからの不法移民の数は“伸び悩む”はずです。
“リクルーティング”の条件が変更されて容易でなくなれば、民間刑務所の事業効率は当然悪化します。
仮にクリントン氏が当選しても財政健全化のために多くの公共事業を見直すでしょう。
どちらにせよ、総合的な観点から民間刑務所の採算性は良くない、という早めの判断を下したことになります。
折しも2016/08/18、刑務所内で受刑者が製造していた米軍用ヘルメットに重大な欠陥があった、というニュースもありました。
米国政府が強力に推進してきた公共サービスの切り売り≒株式会社化ですが、大きな転換点を迎えました。
民間刑務所運営会社の株価が急落したそうですが、上場されていたとは今回初めて知りました…。
新大統領による新体制が発足するまで、半年を切りました。
米国は様々な場面で急激に変化をする時期を迎えています。
日本も人ごとではないので、身構えて心の準備をするのが良さそうです…。