2016/10/21、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が中国訪問していましたが、その間の言動について大きな物議を醸しています。

ドゥテルテ大統領は中国人実業家ら数百人を前に演説の中で「米国との決別する」と語り出席者からは拍手を受けましたが、日米は震撼しました。

 

米国務省は早速反応し、カービー報道官は「決別」発言について説明を求めるとコメントしています。

ドゥテルテ大統領の中国訪問は急遽組まれたスケジュールであったようです。

当初は日本訪問が既にセットされていましたが、その前に中国に先を越されてしまいました。

しかし、ドゥテルテ大統領の発言が余りにも突飛なこともあり、友好を強調した中国でさえも疑心暗鬼に陥っているという複雑な様相です。

そして来週にも訪日される訳なので、日本政府も対応に大変苦慮していることでしょう。

 

本来、中国の海洋進出を防止するためには、フィリピンは防衛ラインの重要な一翼を担うはずですが、その立場を自ら放棄したかの動きを見せています。

日米同盟を基盤にした他国との連携も思わぬ壁に突き当たった状況です。

安倍晋三首相がドゥテルテ大統領をどのようにもてなすのか?複雑な局面になりました。

 

ドゥテルテ大統領は自らの大局観で独自路線を取りたがっているのは理解できます。

その過程で米国との距離感を一定以上をとった上で中国からは経済的な交渉を優先させています。

しかし憂慮されるのは、軸足を本当に動かす覚悟があるのか?です。

その準備と計画が成熟しているのか?は知る由もありませんが、問題は頓挫した時のバックアッププランがあるのか?です。

もし全てが中途半端であったならば、結果は悲劇的なものになると予想しています。

 

ドゥテルテ大統領はまだハネムーン期間中として、全てを大目に見てもらっています。

しかし、約束を守らない指導者という評価が固まった場合、まともな外交活動は出来なくなります。

同時に不利益な取引を押し付けられることがパターン化しているからです。

フィリピンの国民性もあるかもしれないですが、深い傷を負う前に自制するのが賢明であると感じます。

南シナ海は混迷を深めています。

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